管理会社変更議案を取り下げた事例→年間3,000万円の削減と理事会の努力が水の泡に
当協会には様々なタワーマンションの方から相談があります。
その事例を紹介します。
「管理会社の変更について」です。
まずは、管理会社の変更には2つの要因があります。
一つは能力不足による不満、もう一つは管理委託費自体の不満です。
我々が毎月支払う管理費の大半は、管理会社へ支払う管理委託費です。
そして、その管理委託費は、我々がマンションを購入する際に決まっています。
したがって、「言い値」で支払っているのです。
世の中には、2,000社以上の管理会社があります。
マンションを購入する際に、本体価格は気にします。
それは、世の中に相場があり「競争価格」と言えるし、そのマンションはたった一つしかありませんので、顧客の購入動機の最大の関心事でもあります。
しかし、管理費や修繕積立金はいかがでしょうか。
ほとんどのマンション購入者は、気にしないのではないでしょうか。
そこに落とし穴があるのです。
昨今、タワーマンションの修繕積立金不足が問題になっています。
しかし、その詳細な内容を一番把握しているのは、マンション管理組合の役員、つまり理事会のメンバーなのです。
その理事会メンバーで議論し、管理会社を変更しようと決議してから、総会に議案を上程するのです。
その議案が通らないということは、あまり考えられません。
あるタワーマンションでは、総会に4時間を費やし、結局年間3,000万円も削減できる議案をとりさげてしまった事例がありました。
マンション管理会社は、別に大したことをしている訳ではありません。
マンションの維持管理のために、その専門分野の会社に様々な点検や修繕を依頼しているだけです。
そこに特別なノウハウも特許技術もありません。
したがって、大規模マンションの場合は、ある程度実績がある管理会社なら、どこでも同じと言っても過言ではありません。
但し、管理会社のフロント担当者つまり理事会を運営する人材が最も重要で、そこに差があるのです。
したがって、フロント担当者にレベルが高い人材を要求する事が重要で、経歴や人となりは面接してチェックしなければいけないのです。
このマンションに住んでいる方も、大変落胆していました。
年間3,000万円は10年で3億円です。
大規模修繕工事の3割にもなります。
一方で、先般紹介したタワーマンションでは、管理会社変更に伴い、5社から3社に絞り込み、住民説明会で各社プレゼンを聴き、1社に決めるまでの詳細な経緯と価格を含めた比較表を、全住民にタイムリーに情報提供し続けた結果、総会で1つの質問もなく、満場一致で管理会社の変更が可決したところもあります。
年間3,400万円が節約できることになりました。
中古マンションを選択する際に、皆さんはどちらのマンションを選びますか。
今後は、新築マンションが減少する中、管理組合の力量が注目されていきます。
当協会は、タワーマンションに特化した管理組合を支援しています。
実践的なアドバイザーとしてご活用ください。